これ読んだ。2017年に話題になった生物学者の本といえばこれとバッタだよね。
『バッタを倒しにアフリカへ』もおもしろかったけど、私は『鳥類学者…』がすきです。もともと昆虫より鳥がすきっていうのもあるし、なにより著者の川上さんの「覚悟」がいいなあと。
生態系保全といえば聞こえは良いが、現実は大型哺乳動物を殺す行為である。
(中略)
しかし、放置するのは容易いが、目の前で進化の歴史性が失われていくのを見過ごすことはできない。何もしないことは現状維持にはならないのだ。研究者は殺しを推奨し、担当者は文字通り血と汗にまみれる。環境保全というきれいな言葉の裏にある泥臭い現実を忘れてはならない。
これは、小笠原諸島に大繁殖していたヤギの数を減らした時のことを書いてる。ヤギはてっとりばやい食料になるので、昔、せっせと島に持ち込まれたんだって。でもヤギは草を食らい芽を食らい木の皮を食らうから森が草原になりそして枯れ地になって土が海になだれ込んでしまう。島が、元の形を維持できなくなる。
生物多様性基本法では、「我らは人類共通の財産である生物の多様性を確保し、そのもたらす恵沢を将来にわたり享受できるよう、次の世代に引き継いでいく責務を有する」とあって、私たちは生態系を壊さないように動いていかなくちゃいけないんだ。そこらへんを、現状を踏まえ、正直に葛藤も話しつつ自分の考えを言っていてとても好感を持ったのです。
あと普通にジョジョの台詞とか挟み込んでくる。
今、『人体600万年史』の上巻を読んでいて、(図書館の返却期限に間に合うか微妙なのだけど)、これから島について書かれたところを読む。「島」といったら川上さんのこの本もとてもおもしろそうなので、そのうち読んでみたいと思っています。
あと実は魚の次に鳥がすきかも。まったく種類等知らないけど。(爬虫類、両生類もすきだ。)猫飼ってるけど哺乳類は別にそれほど…と思っている。